結論から
簿記3級の本を3冊買って読み比べてみた結果、「最も分かりやすい」と評判の本が、自分にとっては 最後まで読み通せない本 でした。
3年経って気づいたのは、観察の本を選ぶ基準は「分かりやすさ」ではなく、次の3つだったということです:
- 章末問題が短いか(10問より3問のほうが、手が動く)
- イラストが少ないか(多いとページが進んだ気になって、理解が浅い)
- 練習用紙が薄いか(白紙より罫線入りのほうが、書いた感が出る)
観察した事実
退職して個人で経理を始めることになったとき、簿記3級の本を3冊買いました。
- A 社:書店ランキング1位、図解多め、フルカラー、450ページ
- B 社:「日商簿記3級が10日でわかる」、軽め、白黒、220ページ
- C 社:「過去問題集」、解説少なめ、本文ほぼなし、180ページ
最初に選んだのは A 社。確かに分かりやすく、図表も美しい。1章を読み終えて「分かった気」になりました。
ところが2章で詰まる。「分かった気」だったので、章末問題を解いてみたら、半分しか正解しない。気力が萎え、3週間で止まりました。
次に B 社。文章だけで素っ気ないが、章末問題が3問しかない。短いので毎日できる。10日で完走しました。完走後、A 社をもう一度読むと、ちゃんと意味が頭に入りました。
解釈
「分かりやすい本」は、読んだあとの満足感 が高い設計になっています。フルカラー、図表、語りかけ。これらは「読んだ気」を作るのに最適です。
しかし、「読んだ気」は 学んだ証拠ではない と、3冊比べて初めて分かりました。
簿記は特に、手を動かさないと身につかない分野です。手を動かさせる設計の本のほうが、最終的には学習が進みます。
これは観察全般(家計簿、投資記録、確定申告の整理)にも応用できる、と感じています。
自分はどうしたか
簿記3級は2024年に取得しました。当時の勉強配分はこうでした:
- B 社で全体像を10日で1周
- B 社をもう1周(5日、章末問題のみ)
- C 社の過去問題集を2周(4日)
- 試験前日に A 社で苦手分野だけピンポイントで補強
合計約3週間。試験は1回目で合格しました。
読んでくれた人に渡したいもの
観察の本を選ぶときは、「分かりやすさ」より「手の動きやすさ」で見るとよさそうです。
具体的には:
- 章末問題が短い(5問以下)
- 練習スペースが本に組み込まれている
- 1日で1章が完結できるサイズ感
これは特定の本の推奨ではなく、選び方の整理です。本屋で立ち読みする時の基準として使ってもらえれば。
—— 渋川 整