はじめに

この記事は、2011年3月の東日本大震災を扱います。 多くの方が亡くなり、いまも影響が続いている出来事です。本稿は、その悲しみを軽く扱う意図はまったくありません。

ここで書くのは、ごく狭い範囲 ──「災害のとき、お金の運用をどう扱うか」についての、このサイトの考えだけです。相場の数字は、FRED の終値で確かめた物だけを置きます。

静かな夜の部屋に、小さな灯りがひとつ灯っている、穏やかで控えめなイラスト
揺れている時に、まず守るのは口座ではない。手を止めて、灯りを確かめる。

まず、お金の話より先に

3月11日のあと、まず優先されるのは、相場ではなく、命と暮らしです。

お金の話は、その後でいい。この記事は、その順番で書きます。


数字としては、こう動きました

数字も、控えめに置いておきます。

指標動き
日経平均3月10日 10,434円 → 3月15日 8,605円(−17.5%)
ドル円3月17日に 78.74円(1971年以降で、それまで最も円高)。10月28日には 75.72円
図1 株は急落し、円はそれまでで最も高い水準へ。数字は大きく動いた。

FRED の日経平均(NIKKEI225)とドル円(DEXJPUS・1日1回の値)の終値から作成

数字だけ見れば、大きな急落と歴史的な円高です。 でも、この記事で伝えたいのは「この数字を見て、いま何かを判断する局面ではない」ということです。


災害の時のお金について ── このサイトの考え、3つ

派手な投資術ではありません。災害という極端な局面だからこそ見えてくる、地味な3つです。

  1. まず手を止めていい。 急落の最中に新しい判断をしないことは、何もしないことではなく、立派な判断です。
  2. 自動で動いているものは、止めなくていい。 つみたての自動買付は、止めるための連絡をする余力さえ惜しい局面では、「触らない」でいい、と考えています。
  3. 生活防衛資金の意味が、はっきり分かった。 現金が手元にあることの安心は、平時には見えにくく、こういう時に初めて分かります。

特に 3 番目です。 平時に「生活防衛資金を6ヶ月分」と言われてもピンと来ませんが、ライフラインが止まる経験をすると、現金の手触りの意味が変わります。投資の前提として、ここだけは崩さない、と私は考えています。


2026年5月時点で、振り返って思うこと

災害は、お金の話の「外側」から、突然やってきます。 だからこそ、お金まわりは 平時のうちに、揺れても崩れない形に整えておく しかありません。

  • 生活に必要なお金は、現金で確保しておく(投資に入れない)
  • 自動で続くものは、非常時に手をかけなくても回るようにしておく
  • 急落の数字を見ても、まず手を止めていい、と自分に許可しておく

リーマン(積立は何ヶ月で戻ったか)、コロナ(3つの失敗パターン)、3つの暴落を並べた記録と合わせて読むと、暴落や災害の形は毎回違うことが、数字で分かります。それでも、まず手を止めていい、というのがこのサイトの考えです。

これは投資術ではなく、生活の備えの話です。 そして、こういう備えは、相場が穏やかな今だからこそ、静かに整えられます。

最後に。亡くなられた方々に、あらためて哀悼の意を表します。

—— 渋川 整


これは「過去事例」シリーズの一本です。他の暴落局面の数字は リーマン・コロナ・2022年、3つのショックの下落率 に置いています。 本記事は情報提供であり、特定の金融商品の購入・契約を勧めるものではありません。数字は FRED の終値から計算したもので、2026年10月時点の整理です。投資判断はご自身の責任で。