結論を先に

NISAの積立がいくらになりそうかは、3つの数字で計算できます。毎月いくら入れるか、何年続けるか、年に何%増えると仮に置くか、です。

  • 月3万円を20年、年3%で増えると仮に置くと、入れたお金720万円が 約980.6万円 になります。増えた分は約260.6万円です。
  • NISAの中で売った時の値上がり益には、税金はかかりません。課税口座で同じ結果になり、最後に全部売ると、20.315%の 約52.9万円 が差し引かれる計算です。
  • NISAで入れられるお金には上限があります。年間はつみたて投資枠が120万円、成長投資枠が240万円。生涯の上限は1,800万円です。月5万円なら30年、月10万円なら15年でこの上限に届きます。

年利は「こうなる」という数字ではなく、仮に置く数字です。実際の値動きは、毎年上がったり下がったりします。

自分の数字で計算する

毎月の積立・年利・年数を動かすと、入れたお金・最後の評価額・増えた分と、課税口座なら差し引かれる税が並びます。

入れたお金の合計
最後の評価額
増えた分
課税口座なら差し引かれる税(20.315%)

年利を月に直して月末に積み立てる前提で計算しています。入れたお金が1,800万円に届いたら、以後は積み立てずに運用だけを続けます。税は課税口座で最後に全部売った場合の20.315%で、途中の分配金や手数料は入れていません。

金融庁の NISA 特設サイトにも、毎月の積立金額・想定利回り・積立期間から将来の額を出す「積立シミュレーション」があります。前提の置き方が少し違うので、結果は少しずれることがあります。

観察した事実 ── 国税庁のNISAの決まり

国税庁のタックスアンサー「No.1535 NISA制度」(令和8年4月1日現在法令等)から、要点を並べます。

  • 18歳以上(口座を開く年の1月1日現在)の居住者等が、つみたて投資枠と成長投資枠で買った上場株式等の、配当等と売った時の譲渡益が非課税になる
  • 年間投資上限額は、つみたて投資枠が120万円、成長投資枠が240万円
  • 非課税保有限度額は1,800万円(うち成長投資枠は1,200万円まで)
  • 非課税になる配当等は、NISA口座を開いた金融機関を経由して受け取るもの(株式数比例配分方式を選んだもの)に限られる

課税口座の税率は、国税庁のタックスアンサー「No.1476 特定口座制度」(令和8年4月1日現在法令等)にある、所得税等15.315%と住民税5%を合わせた20.315%を使っています。

金融庁の NISA 特設サイトでは、商品を売った場合、翌年以降に、売った商品の簿価(買った時の金額)の分だけ枠が戻ると説明しています。上の計算機は、途中で売らない前提です。

計算機と下の表は、つみたて投資枠で買える商品を毎月同じ額買う想定です。成長投資枠だけでは1,200万円までしか入らないので、1,800万円まで使うには、つみたて投資枠も使うことになります。配当の受け取り方の注意はNISAなら税金はかからない、は本当かに書きました。

広口の器の中に同じ大きさの円盤が平らに並び、上から同じ大きさの円盤が3枚 落ちてくるイラスト。円盤は段状に積み上がっていない
机上の数字より先に、器そのものを見ておく。入れた分がまるごと器の中に残る。

例を並べる

計算機と同じ前提で、いくつかの例を並べます。年利の3%と5%は計算の例として置いた数字で、見通しではありません。月5万円・30年と月10万円・15年の行は、入れたお金が1,800万円に届いた所で積み立てが終わります(どちらも最後の月にちょうど届きます)。右の列の税は、課税口座で同じ結果になり、最後に全部売った場合の20.315%です(途中の分配金や、ほかの口座との損益の相殺は入れていません)。

毎月・年利(仮)・年数入れたお金評価額増えた分課税口座なら引かれる税
月2.8万円・5%・3年100.8万円約108.3万円約7.5万円約1.5万円
月3万円・3%・10年360万円約418.3万円約58.3万円約11.9万円
月3万円・3%・20年720万円約980.6万円約260.6万円約52.9万円
月3万円・5%・20年720万円約1,217.4万円約497.4万円約101.0万円
月3万円・3%・30年1,080万円約1,736.1万円約656.1万円約133.3万円
月5万円・3%・30年1,800万円約2,893.6万円約1,093.6万円約222.2万円
月10万円・3%・15年1,800万円約2,262.4万円約462.4万円約93.9万円

読み方をいくつか。

  • 同じ年利で増え続ける前提では、年数が長いほど、増えた分の割合が大きくなります。 月3万円・年3%で、10年なら増えた分は入れたお金の約16%、30年なら約61%です。入れたお金は360万円から1,080万円の3倍ですが、増えた分は約58.3万円から約656.1万円の約11倍になります。この差は、入れたお金が増えたことと、置いておく期間が長くなったことの両方によるもので、年数だけの効果を取り出した比較ではありません。
  • 年利の置き方で、結果は大きく変わります。 月3万円・20年でも、年3%なら約980.6万円、年5%なら約1,217.4万円です。年利は自分で決められない数字なので、いくつかの値で数えておくと、幅が見えます。
  • 上限の1,800万円は、入れたお金(簿価)の上限です。 増えた分は数えません。月10万円・15年の例では、評価額は約2,262.4万円ですが、入れたお金は1,800万円で、上限ちょうどです。

この計算に入っていないもの

  • 実際の値動き。毎年同じ年利で増える前提なので、途中で下がる年があると、同じ平均でも結果は変わります。
  • 商品の信託報酬などの費用。年利から費用を引いた数字を入れると、近くなります(投資信託の手数料は、2つの数字で比べられる)。
  • 課税口座の、途中の分配金にかかる税。計算機の税は、最後に全部売った時の1回だけです。

一般論として ── 計算から読めること

ここから先は、データではなく私の整理です。

NISAの効き目は、増えた分に税金がかからないことです。この記事の計算(課税口座では最後に全部売り、増えた分の全部に20.315%がかかる前提)では、税金の差は増えた分の20.315%です。課税口座でほかの損失と相殺する場合などは、この通りになりません。3年で入れた100.8万円の例では、税金の差は約1.5万円でした。毎月の額を同じにしたまま年数を延ばすと、入れたお金も増えた分も増えるので、上の表のように差は大きくなります。ただしこれは、毎年同じ年利で増えるという前提の上の話で、途中で値下がりした年の分は、この計算には入っていません。

毎月の額は、続けられる額から決めるのがいいと私は考えています。上の表のどの例も、途中でやめずに続けた前提の数字です。暮らしの現金を先に取っておく考え方は生活防衛資金、『3か月』の根拠は去年変わっていたに、NISAの税金の注意はNISAなら税金はかからない、は本当かに、複利の式そのものは複利の計算は、式1本で確かめられるに書きました。

このサイトは、特定の金融商品を勧めも否定もしません。

一次情報(公式ソース)

本記事は情報提供であって、特定の金融商品の購入・契約をすすめるものではありません。数字は仮に置いた年利による計算で、将来の結果を示すものではありません。2026年10月時点の整理です。

—— 渋川 整